yoga school kailas

「喉に文字を観想すること」

◎喉に文字を観想すること

【本文】

 実際の睡眠時には、強力な二つの技法がある。

①喉に文字を観想すること

 睡眠に入る時に、自分自身がイダムであると観想する。
 頭頂にグルを観想し、祈願をする。
 喉に赤い四枚花弁の蓮華を観想する。
 その中心に、赤いア字またはオーム字を、ヴァークヴァジュラ(言葉の金剛)の本質として観想する。
 このような心を保持したままで睡眠に入るのである。

 これには、ただア字またはオーム字のみに集中する方法と、四枚花弁にア・ヌ・タ・ラの文字を順番に観想していき、最後に中心のオーム字のみに集中する方法とがある。
 どちらにしても、喉の中心にア字またはオーム字を観想するとき、それが中央気道の中であると観想することは、非常に重要である。

 これは、まず自分がイダム――つまりさっき言った、何でもいいんだけどね。シヴァ神でもヴァジュラサットヴァでも、観音様でもなんでもいいんだけど、こう寝るときにね、自分の体がそうなっているっていうふうにまずイメージする。で、その上で、頭頂にグルを観想し祈願する。つまり自分の寝ている頭の上に自分の師匠のことをイメージして、祈願ね――つまり、これからわたしに夢のヨーガを達成させてくださいと、しっかりと夢が夢であると認識させて、その夢のヨーガの修行をさせてくださいと祈願をする。
 そして喉に赤い四枚花弁の蓮華ね――つまり四枚の花びらがある蓮華の花をイメージすると。その中心に赤いア字、またはオーム字をイメージするわけですね。
 で、それがヴァークヴァジュラであると。ヴァークヴァジュラっていうのは別に難しく考えなくていいんだけど、ヴァークっていうのはこれは言葉のことね。喉っていうのは言葉のカルマ、あるいは言葉のエネルギーの中心なので、それがヴァジュラで示されてるのは、ちょっと難しい話になるけども――われわれは身・口・意、つまり肉体的な身の行ない、それから言葉による口の行ない、それから心の行ない、この三つを持ってると。三業ね。で、修行っていうのは、この三つを金剛、ヴァジュラ――つまり凡夫的な一般的なけがれた働きでなくて、純粋な光り輝く壊れない不動のものに昇華させていくんだね。修行の結果としてそうなるわけだけど、ここではそれを最初からそう観想しちゃうと。
 つまり喉は言葉の世界なので、そこに現われた赤い「ア字」を、あるいは「オーム字」を、最も純粋な言葉の本質――ヴァークヴァジュラが、その「ア字」あるいは「オーム字」として現われたんだっていうふうに考えるということですね。
 そして、その「ア字」または「オーム字」に集中したまま眠りに入るってことだね。で、それはただそのオーム字・ア字に集中したまま眠りに入るやり方でもいいし、もう一つのやり方として、「ア・ヌ・タ・ラ」という四つの文字を観想し、それに順番に集中していく。で、最後に「オーム字」のみに集中するというやり方があります。
 ただこれ、何人かにこのやり方を教えたんだけど、けっこうみんな途中で寝ちゃうんだね(笑)。「ア、ヌ……くー」って寝ちゃう人がいるから(笑)、最初から「オーム字」「ア字」でも全く問題ないです、その場合はね。最初から「ア字」や「オーム字」を観想して、それに集中しながら睡眠に入る。そうすると夢を見やすくなる、あるいは夢を認識しやすくなると。
 そして最後に書いてあるのは、それが中央気道の中であると観想する。つまり喉にあるっていっても、例えば喉の表面にあるわけでもなくて、つまりどーんと体の真ん中を中央気道が走ってて、その中央気道の中にその今言った「オーム字」があるんだ、あるいは「ア字」があるんだっていうふうに強く思うということだね。それによって中央気道にエネルギーが入りやすくなり、そして喉にエネルギー集中したまま寝るから、夢を見やすくなりますよということですね。

share

  • Twitterにシェアする
  • Facebookにシェアする
  • Lineにシェアする