「マハーガヴァッチャ」
マハーガヴァッチヤ
マハーガヴァッチャは、過去世において、世尊パドゥムッタラとその弟子たちに飲み物の供養をした。それからまた世尊シキンのときには在家信者となって多くの功徳を積んだ。彼はそれらの功徳によって、あちこちの幸福な世界にのみ輪廻して、世尊釈迦牟尼が出現されたときに、マガダ国のナーラカ村のサミッディというブラーフマナの息子として生まれ、マハーガヴァッチャ(大きな子牛)と名付けられた。
彼はあるとき、サーリプッタ尊者が世尊釈迦牟尼の弟子であると聞いて、
「サーリプッタ尊者は大智慧者といわれている。そのサーリプッタ尊者が弟子入りしたのだから、このお方こそが、この世界の最高の方だ。」
と、世尊釈迦牟尼に対して信を起こし、世尊のもとで出家を果たした。そして瞑想修行に励み、ほどなくしてアラハットの境地に達した。
アラハットの境地に達したマハーガヴァッチャは、解脱の楽を楽しみつつ、世尊の教えが輪廻から解放させるものであることを明らかにすることによって、法友たちに勇猛心を起こさせようと思い、次のような詩を唱えた。
「智慧の力あり、戒と誓いを身に具現し、心が安定し、瞑想を楽しみ、落ち着いて気をつけていって、適当な食物を食する人は、貪りを離れて、この世で死ぬときを待つべきである。」
-
前の記事
自己の明け渡しのヨーガ Ⅱ(9) -
次の記事
「アドブターナンダ」(終)