☆夢の幻を観想する方法
☆夢の幻を観想する方法
1.夢を保つこと
1-1 プラーナの力によって夢を保つこと
これは、覚醒時にプラーナを中央気道に入れ、溶け込ませ、四つの空をあらわすことができる人が行なう方法である。
最初に睡眠の光明をしっかりと保つならば、その後に夢があらわれるのをハッキリと認識できるので、特にそれ以上、夢を保つために何かを行なう必要はない。
1-2 願いの力によって夢を保つこと
これは、上記のような能力がない者の道である。
これは、覚醒時に、「夜、夢を保つ手助けをしてください」などとグルと同一であるイダムに繰り返し祈ることと、喉などに観想をする方法などがある。
睡眠時の集中の場所については、心臓に集中する流儀と、喉に集中する流儀の、二つが伝えられている。
もし睡眠の光明をあらわすことができる人は、心臓に集中して光明を経験し、その後に夢を保つのがよい。
しかしもし睡眠の光明を保つことができない人は、喉に集中して睡眠に入るのがよいのである。
睡眠時に喉や眉間などに集中するならば、心臓にプラーナが集まる程度が小さくなることによって、睡眠が浅くなり、夢を認識しやすくなるのである。
覚醒時に、「夜、夢を保つ手助けをしてください」などと祈ることを繰り返し続けていると、その思いが睡眠時にも出てくるので、夢の認識が容易になる。
また、昼間に、以下のようなことにも努力をすべきである。
・自分をイダムとして観想する。
・グルヨーガ、マンダラ供養を行なう。
・グルとイダムに供物をささげ、祈願を行なう。
・できるだけ人と会わないようにする。
・日常生活のあらわれすべてを、夢であると考える。
・夢を夢として認識したいと、繰り返し願う。
実際の睡眠時には、強力な二つの技法がある。
①喉に文字を観想すること
睡眠に入る時に、自分自身がイダムであると観想する。
頭頂にグルを観想し、祈願をする。
喉に赤い四枚花弁の蓮華を観想する。
その中心に、赤いア字またはオーム字を、ヴァークヴァジュラ(言葉の金剛)の本質として観想する。
このような心を保持したままで睡眠に入るのである。
これには、ただア字またはオーム字のみに集中する方法と、四枚花弁にア・ヌ・タ・ラの文字を順番に観想していき、最後に中心のオーム字のみに集中する方法とがある。
どちらにしても、喉の中心にア字またはオーム字を観想するとき、それが中央気道の中であると観想することは、非常に重要である。
②眉間に滴を観想すること
このやり方によってもなかなか夢を認識できないときは、繰り返し同じやり方で努力すべきである。
それでもなかなか夢を認識できないときは、明け方にグルヨーガを観想し、祈願をした後、自分をイダムとして観想し、その眉間に白く輝く豆粒ほどの滴を観想し、壺の呼吸法を七回行なってから、睡眠に入るべきである。明け方は睡眠が浅く、また眉間に集中することによっても睡眠が浅くなるので、夢を認識しやすくなるのである。
2.夢のヨーガをさらに進める訓練
夢の中で、さまざまな神秘的な行為を行なうべきである。
たとえば、さまざまな神の国や人の国へ旅をする。
空を飛んだり、無数の分身を出したりなど、さまざまな神通力を行なう。
仏陀の浄土へ行き、仏陀や菩薩にお会いする。
3.夢の実体を観想すること
夢の中で自分をイダムとして明らかに観想し、自分の胸のフーム字から光明を放射し、すべての世界と衆生をその光明に包摂し、胸のフーム字に吸収する。
そして自分の身体も、フーム字に溶け込んでいく。そしてフーム字そのものも溶けていき、空なる光明だけになったと観想し、心を不動に保つのである。
夢の中でこのような瞑想をすることによって、夢はすべて光明に溶け込む。そして睡眠のもろもろの空を、徐々に体験できるようになるであろう。
睡眠の最初にもろもろの空を経験できない者も、いったん夢を見た後に、このような観想をすることによって、睡眠の空を経験できるのである。
-
前の記事
☆あらわれたものを幻と観想する方法 -
次の記事
6 聖者の心の観想