◎呼吸法による静寂
◎呼吸法による静寂
【本文】
『プラッチャルダナ・ヴィダーラナービャーン ヴァー プラーナシャ
息を吐き出す法と、息を止めておく法によっても、心の静寂が得られる。 』
はい。これはまさにプラーナーヤーマですね。ここでいつも言っているように、心の働きと呼吸っていうのは非常に密接な関係がありますと。心が揺れている人っていうのは、呼吸数も多くて浅いと。心が安定している人っていうのは、呼吸がゆったりとしてます。これは何回か言ってるけど、一般に言われるのは、普通の人間の安静時――安静時っていうのは、誰もいない、一人だけで、ストレスがない状態で、ゆったりとしてどれくらい呼吸してるかと。平均一分間に十六回といわれています。
みなさん、家で一人になって計ってみて、十六回より多かったらちょっと精神不安定です。十六回より少なければ少ないほど安定しています。
私ね、ちょっと思い込みが激しいのかもしれないけど、高校生のときにこれを知って、「ほんとかよ」と思って計ってみたら、本当に十六回だった(笑)。「ほんとかな?」と思ったけど、十六回だったんだけど、ヨーガとかやって、数年後に計ったら、五回ぐらいに落ちてたんです。ゆったりと五回ぐらいしか呼吸してないんだね。「ああやっぱり落ちるんだ」と思って。
つまり、心の安定と呼吸数っていうのは比例してるんだけど、ヨーガの呼吸法っていうのはこれを利用してるんです。比例してるんだったら、呼吸の方をコントロールすればいいじゃないかと。呼吸を徹底的に、深くゆったりとした呼吸にしとけば、心も安定するじゃないかっていう考えなんだね。じゃあ、もっと言えば、呼吸止めちゃえば心止まるじゃないかと――これがヨーガのクンバカの発想(笑)。いや、本当なんです。だから息をコントロールすることによって、静寂の状態を物理的に得させようとすること。これがプラーナーヤーマだね。
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