yoga school kailas

◎内的感覚による静寂

◎内的感覚による静寂

【本文】
『ヴィサヤヴァティー ヴァー プラヴリッティルトパンナー マナサハ
スティティニバンディニー

あるいは、いろいろな対象を持った感覚現象が発現するならば、それは心をいやおうなく不動にする。 』

 はい。これはね、ちょっと高度なことを言ってるんだけど。瞑想によって、われわれの感覚器官の内面的感覚器官みたいなものが、出てくることがあります。それはどういうことかというと、もちろんいろんな光が見えるとかもそうだけど、いろんな心の中の――例えば音でいったらナーダ音だね。修行が進んでくるときれいな――最初は汚いんだけど、最初は人によるけど、金属音だったりとか、あるいはちょっと上がってくると虫の鳴き声みたいだったり、あるいは鈴の音みたいなのが聞こえてきて。それからフルートみたいなきれいな音になってくる。それが合わさってメロディーになるんだね。で、そういうのに集中することによって、寂静の境地に入る方法がある。これをナーダ・ヨーガっていうんです。今よく別のタイプの、楽器を演奏してヨーガをするのをナーダ・ヨーガって言ったりするけど、本当のナーダ・ヨーガってそうじゃないんです。本当のナーダ・ヨーガっていうのは、心の中で聞こえてくる音に集中してサマーディに入るのを、ナーダ・ヨーガっていうんだね。
 これはナーダ――音が一番有名なんだけど、それだけじゃなくて例えば、なぜか生じてくるものすごい味覚とかあるんです。何もしてないのに非常に甘くなるんだね。それに集中することによって入ると。嗅覚もそうだし、もちろん視覚もそうだし、触覚――触覚で言ったら、つまり歓喜状態だね。何もしていないのに生じる歓喜の状態がある。それに対して集中する。
 だからこれはやろうとしてできるものじゃなくて、その人の修行の進み具合に応じて出てくる内的な精妙ないろんな感覚に対して集中することによって、深く入る現象だね。
 もう一回言うけど、一番有名なのはナーダです。ナーダは有名っていうか、一番やりやすいんだろうね。経験しやすいっていうか。ナーダ音は、みなさんも修行してたら聞こえてくる可能性は高い。胸とか喉のチャクラと関係があって、ここが通ってくると聞こえてくるんです。逆に言うと――逆に言うとっていうのも変だけど、ここが詰まっている人は聞こえやすいかもしれない。つまり、詰まっているがゆえに、そこにエネルギーがいっぱい注がれるから――私もそうだったんだけどね。私も喉がすごく詰まってるから、修行の途上ですごいここにエネルギーが注がれたんだろうね(笑)。あるときからいろんな音が聞こえるようになってきて。もう集中するだけでいろんな音が聞こえるんです。だからそういうものがもし生じたら、それに対してぐっと集中することで、深い寂静のサマーディにはいることもできますよ、というところだね。

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