苦しい経験はどれも
神から授かった意志という力を、神を知るというその本来の目的のために養い育てることが、人生の唯一の目的です。 
 われわれを創られた神は、われわれを苦しみから解放するために、われわれの意識の中に入ろうとして、一人ひとりの心臓を叩いて叫んでおられます。しかしわれわれは、なかなかそれに耳を傾けようとしません。『神はきっと、人間をおつくりになったことを後悔しておられるに違いない!』――私は毎日、神に、どうして人間をこのようにおつくりになったのかを尋ねています(私は心に思い浮かんだことは何でも神に話すようにしています。神も、私がそうして神に付きまとうのを喜んでおられます)。 
 すると神は、ご自分のおつくりになったものが完全でないことをよくご存知で、 
『鉄を火の中で白熱するのは鋼にするためだ』 
とお答えになります。つまり、痛めつけるためではない、ということです。 
 病気も困難も、われわれに教訓を与えます。苦しい経験はどれも、われわれを苦しめるためではなく、われわれの中にある不純物を燃やして天の家へ帰らせるために与えられるのです。神ほどわれわれの解放を心底望んでおられる方は他にいません。 
――パラマハンサ・ヨーガーナンダ
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