山のダルマ(3)
修行の道に入ると、あなたは(その道の流派の)外面的、伝統的な体裁を整えなければならない。しかし、そんなことよりももっと大切なのは、今ここで、「自己流」と「自己顕示欲」という”価値のある”性質への執着、そして世俗的な生活の義務に対する執着をすべて断ち切らねばならないということである。心が完全に変わっていないのに、生ぬるい妥協的な心で”誓約”の門に入ってしまうと、故郷、富、財産、家族、友人などへの未練があなたに付きまとうことになる。そのような状況では、根本原因である執着のカルマと、付随的な条件である執着の対象が合致し、有害な障害を作り出すだろう.。そして再び日常的世界に巻き込まれ、還俗してしまうだろう。
だからあなたは、食べ物、衣服、社会的交流などを重要だと思う傾向を減らし、八つの世俗的観念――得ることと失うこと、快と不快、称賛と非難など――から自己を引き離すために、できることを行なうべきである。心を内なる目標の一点に向けるべきである。
あなたは、ギェルワ・ヤンゴンパを見習うべきである。
ギェルワ・ヤンゴンパはこう言っている。
「”死の智慧”と呼ばれる人里離れた地で
執着を厭う世捨て人は
今生へのすべての関心事を放棄することで
秘密の結界をひく
かくして、八つの世俗の観念という”霊”を
排除するのである。」
そのような無執着の境地に達しないと、あなたの精神的生活は、汚染された食べ物のように有毒なこれらの観念によって堕落してしまうだろう。
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