アショーカ王の憂鬱

 世界一高い、二次元のビルで 
 一人っ子の弟が 
 ツルッパゲの頭にパーマをかけた。 
 それは終わりのある無限。 
   
 勝ちも負けも嫌だと言って、土俵を降りても 
 それは試合放棄という負けとなる。 
 「自分は相撲取りではない」ということに気づくしかない。 
 鏡の中の鏡は、どこまで続くのだろう。 
 それは縁起という永遠。 
 よって輪廻には、始まりも終わりもなく 
 鏡はただの反射でしかないと気づくしかない。 
 一点に向かって拡大せよ。 
 広大な点と点をつなぐ、長さのない線によって。 
 アショーカ王の憂鬱は 
 仏陀を知ってしまったこと。 
 時を越えた領域で、決して知られることのないものが知られる時、 
 言葉は終わりを迎える。 
