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「鳥のダルマの素晴らしき花輪」より(2)

 カッコウの語った言葉は、どの鳥の耳にもとても心地よく響いましたので、それから七日の間、鳥たちは心を乱されることなく、瞑想を続けました。その七日が過ぎたその翌朝のこと、偉大な鳥が、みんなを前にこう語りだしました。

「火が燃え上がる前には煙が立ちのぼり、
 南の空に雲があらわれると雨がやってくる。
 子供がいなくては大人はなく、
 子馬がやがては駿馬となる。
 この世界で意味のあるものは、ただダルマだけです。そのただ一つの意味あるダルマへの理解が生まれるためには、まず死について深く考えることが大切です。
 死について考えぬくうちに、いつのまにか輪廻への執着が絶たれ、行為にはかならず結果が生じることへの確信が生まれ、生は無常であり、死はいつやってくるかも知れないということへの理解が固まるでしょう。
 この世界でただひとつの意味あるものであるダルマへの理解が育っていくために必要な『五つの認識』と呼ばれているものがこれです。この場に居並ぶ鳥のみなさん、あなた方の心にこのような理解は生まれましたか。さあ、遠慮しないで、自分の心に浮かんだことを、恥ずかしがらずに話してみてください。」

 すると、左側の列に座っていた禿鷹の王が立ち上がって、羽根を三度羽ばたかせて礼をしてから、次のように語りはじめました。

「かくもありがたいダルマの教えには、耳を澄ませて聞き入らなければなりません。
 わたしたちの心をおおっているさまざまな行為の愚かさを知らなければなりません。
 行為のおおもとには、正しいダルマの理解が捉えられなければなりません。
 生まれたものは永遠でなく、かならず死が訪れることを知らなければなりません。
 蓄えた富はかならず散り散りになっていくことを知らなければなりません。
 いま積み上げた善の献げものは、将来への蓄えであることを知らなければなりません。
 悪いおこないが実を結び、将来に苦しみがもたらされるのを知らなければなりません。
 良いおこないは実を結び、将来に喜びがもたらされるのを知らなければなりません。
 徳のあるおこないを積み重ねていけば、きっと幸福がもたらされると、わたしたちは知らなければなりません。」

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