「供物を受け取る根源的な主」
第8章:アクシャラ・ブラフマ・ヨーガ
◎供物を受け取る根源的な主
【本文】
アルジュナが言った。
『おお至高のお方よ! ブラフマン、根源真我、カルマ、
根源物質、根源神とは何かを、ご説明なさってください。
供物を受け取る根源的な主は、私たちの肉体の中にどんな形で住んでおられるのでしょうか。おおマドゥスーダナ様!
心の修行をした人が死ぬとき、ご自分の姿をその人にどのように示されるのでしょうか。』
至高者はこうお説きになった。
『永遠不変にして最高の実在者をブラフマン、その実在者の性質を根源真我という。
またそれが万有を創造し、維持し、そして破壊させていく働きをカルマという。
根源物質は変化し消滅していくが、その中で働く根源神は、純粋真我の分身であり、
神々の体の中に宿るわたしこそが、帰依者たちの供物を受け取る根源的な主なのだ。肉体を持つ者の中で最も優れたる者よ!』
根源真我、あるいは根源神という言葉が出てきますが、この根源っていうのはサンスクリットでアーディっていうんだけど、よく仏教でもアーディナータとかね、アーディブッダとかいうんですが――例えばチベット仏教では、派によって違うんだけどね、カギュ派とかゲルク派とかはアーディブッダをヴァジュラダラにしてるね。ニンマ派はクントゥサンポっていって、サマンタバドラですね。まあ、そういう名前はどうでもいいんだけど、根源的な神、仏陀っていうのがいらっしゃる。これがここでずーっと出てきてる、この至高者、このギーターの中ではクリシュナなわけだけども。
この世のものっていうのは、カルマの法則にのっとって、創造し、維持され、破壊されていく。その中で多くの人間やいろんな生き物がいて、その中で信仰あるものが神々に供養するわけだけども、でも実際様々な神々がいらっしゃりますが、それを受け取っている根本的な存在、これが根源真我。根源真我といわれる私なのだと。つまりここでいうところのクリシュナね。バガヴァーンなんですよってことですね。つまりわれわれはいろんな神様や仏陀に祈りを捧げたり、帰依したりしているけども、実はその様々な仏陀や様々な神々の本質たる唯一の存在者がいるんだということだね。