帰依・菩提心・空
何度も同じことを書いているが、修行の道において、師や至高者・仏陀への帰依、菩提心、空の悟りという三つは、それぞれが相互依存的に欠くべからざるものであり、これら三つの深まりによって本当の意味での修行が進んでいく。
現代人の修行者や仏教研究者に多いパターンで、空だ空だと言っているだけで菩提心も帰依もないなら、決して悟ることはできないどころか、本当の世界に足を踏み入れることさえできない。
また、菩提心や慈悲は素晴らしいが、一歩間違うと、全く本質を欠いた独りよがりのものになってしまう。よって少なくとも本当の帰依の高まりが必要だ。
また、帰依というのも、本当の帰依なら何の問題もないが、観念的な独りよがりの帰依では、何も進まない。
ただ、帰依の場合、帰依の対象として生きた師がいる場合は、自分の帰依が間違っていても徐々に修正されていくので、逃げさえしなければ正しく進み、いつかは菩提心や空の悟りも高まっていく。
だから結局バクティ、帰依が一番ということになるのだが、帰依をベースとして、しっかりと菩提心の修行と実践にも励むのが一番いい。そして祝福によって小さな空の悟りが訪れたときは、それを深めていけばいい。それによって帰依と菩提心もまた増大する。
そしてこの三つとも、わかると思うが、エゴの介在は全くない。三つとも、当たり前だが、エゴがあっては駄目なのだ。よって、自我執着、エゴを弱めていく修行は当たり前のように実践されなければならないが、逆に言えば、本当にこの三つの実践に励むならば、当然のごとく、自然に、エゴは弱められていく。
帰依、菩提心、空の修行に、全力を尽くしてください。