マハープルシャ・シヴァーナンダの生涯(長編)(12)
シュリー・ラーマクリシュナの弟子の中の幾人かは仏教に興味を持ち、仏教についての討論がコシポルで何日にもわたって繰り広げられた。
仏陀の偉大な放棄、不退転の精進、慈悲――中でも特に彼の真理への理性的なアプローチに、ターラク、ナレン、カーリー(後のスワミ・アベーダーナンダ)は大変魅了され、遂には、仏陀が悟りを開いた地「ブッダガヤー」を訪れることを決めた。
ターラクが汽車賃を受け持つと、三人はブッダガヤーへと旅立った。
ブッダガヤーに到着すると、仏陀が「真理を悟るまでは決してこの座を離れない」と言って不退転の決意を抱き座した有名な菩提樹の下で、何日も瞑想に明け暮れた。仏陀の覚醒の神聖な記憶に結びついたその場所は、彼らを霊性の啓示で満たした。
彼らが瞑想していたある夜のこと、ナレンは偉大な神的熱情に満たされる経験をした。感情に圧倒されながら、彼は泣き崩れ、隣に座して深い瞑想状態に入っていたターラクを優しく抱擁した。
ナレンが瞑想中に、仏陀がターラクにお入りになるのを見て、ターラクを抱擁したということは、ラーマクリシュナ・マトの伝説となった。
ブッダガヤー滞在の成果をあげた三人の若者は、コシポルのガーデンハウスへの帰途に着いた。