お前の心を差し出しなさい
弟子「私の心を安定させてください。」
恵可禅師「お前の心を差し出しなさい。安定させてやろう。」
弟子「どうか私に、心を安定させてください。」
恵可禅師「例えば、裁縫屋に衣服を裁縫してもらうようなものだ。裁縫屋は、君の絹布を手に取って、初めて刀を入れることができる。絹布を手に取らないで、どうしてそれができる? 虚空を裁断するというのか。
君が心をわしに差し出すことができぬ以上、わしはどんな心を安定させてやるというのか。知ったことか。わしは虚空を安定させるわけにはいかぬ。」
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