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パドマサンバヴァの秘密の教え(29)「捨断せられるべき十悪」

 次に、実践するべきボーディチッタの教えは、以下の三点に説明される。

(1)捨断せられるべき十悪 
(2)対抗策である十善
(3)励むべき十のパーラミター

(1)捨断せられるべき十悪

 最初に、物理的な行為が三つある。すなわち殺生、盗み、邪淫である。

☆殺生

 殺生とは、生命の継続を断絶させることである。
 三毒によって起こる三種類の殺生がある。

1.愛著から生じる殺生とは、肉、皮などを欲して動物を殺すことである。

2.怒りから生じる殺生とは、例えば敵意を抱いて他人を殺すことである。

3.無智から生じる殺生とは、意図せずに殺すことで、例えば子供が鳥を殺したり、歩いていてアリを踏んで殺すようなことだ。

 三毒から解放されていない衆生には幸福はない。

 殺生の行為が完成される四つの条件を以下に述べる。

1.行為の前に「これから殺生をするぞ!」との意図がある。

2.その行為を周到に計画し、達成しようと努力する。

3.殺生の実際の行為。

4.その行為の結実に後悔の念を持つことなく喜ぶ。

 殺生の結果は三通りに現れる

1.愛著から生じた殺生が成就した結果は、たいていの場合、次の生で餓鬼に生まれるだろう。
 怒りから生じた殺生の場合は、たいてい地獄に生まれるだろう。
 無智により殺生をした場合は、たいてい動物に生まれるだろう。

2.たとえ人間に生まれたとしても、あなたの人生は短く、たくさんの病気を抱えることになるだろう。

3.以前の習慣による傾向によって、殺す行為に楽しみを見出すようになるだろう。

 ツォギャルよ、故に我々はこれらの行為を犯してはならないのだ。
 経典には、もしあなたがこれらの行為を捨離する努力をするならば、以前作ったその行為の結果や、習慣的傾向から外れることになるだろうと説かれている。そうすれば、あなたは神や人間の多大なる幸福を手にいれるだろう。

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