2011年インド修行旅行記(7)「ラーダークンタとゴーヴァルダナ山」
ハリドワールを発った我々は、途中、オールドデリーのチベタンキャンプに寄ったあと、ニューデリーで一泊し、翌日、いよいよヴリンダーヴァンへと向かいました。
ヴリンダーヴァンはクリシュナが少年時代に遊んだ聖地で、クリシュナを信仰するヒンドゥー教徒にとっては最大の聖地ともいえます。ここは有名なタージマハルがあるアグラーからほど近いのですが、外国人の観光ルートからは完全に外れており、大聖地といっても、巡礼者はほとんどインド人しかいません。
実は私もヴリンダーヴァンは今回初めて訪れるので、大変楽しみにしていました。
ヴリンダーヴァンのホテルに着く前に、我々はまず、ラーダークンタおよびゴーヴァルダナ山の巡礼をすることになりました。
ラーダークンタの逸話はこうです。クリシュナは牛飼いの仲間達とともに、大地に大きな穴を掘り、そしてインドの五つの聖河の女神を呼び寄せて、その穴にそれらの聖河の水を注がせ、そこで泳いで遊びました。
これを見た、ラーダーを初めとするクリシュナの女友達たちは、クリシュナに対抗して自分たちも穴を掘ったのですが、そこには聖河の女神達は来てくれませんでした。そこでクリシュナが慈愛によって女神達を呼び寄せ、その穴にも五つの聖河の水を入れてあげたのです。
このようにしてできた池は今でも残っており、クリシュナたちが作った池をシャーマクンタ、ラーダーたちが作った池をラーダークンタといい、これらは隣り合って存在しています。これらの池の水は五つの聖河の水が全部入っているとされるので、ここで沐浴すれば、五つの聖河で沐浴したのと同じだといわれます。
しかし現在ではシャーマクンタの水はとても汚れているので、人々はもっぱらラーダークンタのほうで沐浴するようになっています。
我々はある場所にバスを止め、そこから徒歩でラーダークンタおよびゴーヴァルダナ山へと向かいました。ここは巡礼地なので、徒歩で行かなければならないのです。一応、インド人のガイドが先導してくれたのですが、彼もここへ来るのは初めてということでした。
この巡礼のルート、9キロくらいあるということでしたが、実際にはそれ以上あったようにも感じました。インドの炎天下の中を、徒歩で6~7時間くらいかけてふらふらになりながら、これらの聖地を巡礼したのでした。
まず最初についたのがラーダークンタ。我々はここで沐浴し、祈りを捧げました。そしてここはもともと、クリシュナと友達の牧童たちが泳いで遊んだところなので、私も泳いだり潜水したりして、牧童の気持ちになり、遊んだのでした笑。
そしてその後、ゴーヴァルダナ山へと向かいました。慢心に陥ったインドラ神が、クリシュナの住む村に対して大雨や大嵐を起こしたとき、クリシュナはこのゴーヴァルダナ山を大地から引き抜いてあげて持ち上げて、傘のようにして村人達をその大嵐から救ったといわれています。クリシュナは小指一本でこの山を支えていたのですが、クリシュナの偉大な力を知らない村人達は、自分たちも木の棒などでこの山を支え、クリシュナの手伝いをしました。もちろんクリシュナには手伝いなど必要なかったのですが、クリシュナはほほえんでその村人達の思いやりを見ながら、何日間もゴーヴァルダナ山を支え続けたのでした。
この山は、もともとは高い山だったのですが、現在では低い丘のようになっていると聞いていました。そして実際に行ってみると、丘というよりも森のような感じになっていました。
このゴーヴァルダナ山、クリシュナを信奉するヒンドゥー教徒にとっては聖山ですので、山の周りを五体投地でまわっている人が何人もいました。五体投地で巡礼地をまわる修行はチベット仏教などが有名ですが、もともとはヒンドゥー教から来たやり方なのかもしれませんね。
さて、こうして一日かけてラーダークンタとゴーヴァルダナ山を周り、バスに帰った頃にはもう暗くなってしまっていました。
ここで驚くべきことが置きました。何気なくその暗くなった町の写真を撮ってみると、一般にはいわゆるオーブといわれ、われわれは心滴と呼んでいる、不思議な丸い光がたくさん映っていたのです。
しかも、何枚も写真を撮ると、100パーセント映るのです。写真を撮ると必ず映るのです。
この心滴(オーブ)、いったい何なのかはわかっていません笑。いろいろな人がいろいろ解釈はしていますが、もちろんよくわかっていません。
ただ、昔から我々のヨーガ教室で写真を撮るとこの光の玉がよく映ります。以前に非常に大きな光の玉が映ったことがあり、それを拡大してみてみると、まるで中央にブッダが座っているマンダラのような模様だったので、一般にいわれるような単なる霊的なものではないように思えます。まあ、いろいろ種類があるのかもしれませんが・・・・・・
どちらにしろ、写真を撮ると100パーセント心滴が映るという現象は、やはりこの地は普通の場所ではないのだなということを我々に実感させてくれました。