(8)「菩提心」②
菩提心とは、
無数の衆生のために真のブッダになりたいという欲求です。
そして菩提心には、「堅固な決意」と「精進(実際の実行)」という二つがあります。
そしてこの二つは、互いに補完し合っています。
歩こうという意志と、実際に歩くことのように。
菩提心の堅固な決意は、四無量心に影響を与えます、
菩提心の精進(実際の実行)は、六つのパーラミターの修行の実践です。
自分の善だけを心配している人の功徳や、
自分の幸福のためだけに解脱した者の功徳は、
「菩提心の堅固な決意」の功徳の一片にも等しくありません。
衆生の苦しみのほんの少しでも取り除くことを決意した心の状態、
それが、ほんの一瞬だけ生じただけでも、悪趣から救済されるでしょう。
そして、天界と人間界の多くの幸福を経験するでしょう。
その上に、菩提心の精進(実際の実行)を行なうならば、その利益は無限です。
なぜならばそれは、純粋な真の菩提心を引き起こすからです。
そして、一瞬でも純粋な真の菩提心が出現した素晴らしい心は、
膨大な功徳と智慧の集積の合一へと至ります。
解脱の境地に至るまで、遥かな時間がかかるのか、早く達成するのか、
または今生でブッダの境地に到達するのか、
それらはその人の功徳や智性のいかんによりますが、
その功徳や智慧の源はすべて、
菩提心の強力な力の反映なのです。
この菩提心という頑丈な乗物こそが、
衆生という重い荷物を運ぶのです。
全智を得ようという決意は、ブラフマ神や他の神々でさえ、かつて持っていませんでした。
夢の中でさえ、そのような決意をする者は、ほとんどいなかったのです。
自分のために全智を得ようと決意する者もほとんどいなかったのに、
ましてや、他者に全智を得させようという決意をする者など、皆無に等しいのです。
よってあなたは、自分の中にそのようなたぐいまれな菩提心が生まれたことを、
心から喜んでください。
それは、師の恩寵によって出現するかもしれません。
如意宝珠から降り注ぐ幸福の雨のように、
師の恩寵を受ける幸運な弟子は、
欠点のない師によって、
菩提心の素晴らしさを教えられるでしょう。
そして輪廻で苦しむみじめな衆生たちの哀れさ、
そして彼らを救わなければならないことを、師は弟子に理解させるでしょう。
-
前の記事
3.壺の呼吸法をしながら観想する方法 -
次の記事
4.兆しのあらわれと、チャンダーリーの火の燃え方