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解説「ラーマクリシュナの生涯」第四回

2 カマルプクルの敬虔な家族

◎ラグヴィールの祝福

 邪悪な地主によってすべての財産を奪われ、十歳のラムクマルと四歳の娘カッタヨニ、そして妻のチャンドラマニを連れて故郷を去り、友人の厚意によってカマルプクルに移住し、与えられた小屋に身を落ち着けた日から、クディラムは以前よりもいっそう、この世における繁栄には関心を失い、ラグヴィール(シュリーラーマ)に完全に帰依し、主なる神への奉仕と礼拝にいっそうの時間を捧げるようになった。

 この時期に起こった一つの出来事が、クディラムの神への信仰をさらにいっそう深くした。ある日、彼は仕事で他の村に行った。帰る途中、疲れて木の下で休み、そのまま眠ってしまった。するとそのとき彼は、彼のイシュタ(理想神)であるバガヴァーン・シュリー・ラーマが、若葉のような緑色の体をした神々しい少年の姿で、彼の前に立っている夢を見た。その少年は、ある場所を指さして、こう言った。

「わたしは食べ物も、世話する者もなしに、長い間ここにいた。わたしをおまえの家に連れていっておくれ。わたしはぜひおまえに仕えてもらいたいのだ。」

 クディラムは感動に圧倒され、繰り返し主を礼拝しつつ、こう言った。

「主よ、わたしは信仰がなく、またたいそう貧しうございます。わたしの小屋ではあなたにふさわしいお仕えをすることはできません。またもし落ち度があったら、わたしはお慈悲を頂けなくなるでしょう。どうかそのような難しいご命令はなさらないでください。」

 するとその少年の姿のラーマは、彼を慰め、慈悲深くこう言った。

「恐れることはない。わたしはどんな不行き届きにも腹を立てない。わたしを連れていけ。」

 クディラムは思いもかけぬ主の慈悲に感動して、わっと泣きだした。そしてちょうどそのときに夢から目覚めた。

 目が覚めると、クディラムはそこに、夢で見たのと同じ風景を見た。好奇心からそこに近づいてみると、そこには美しいサーラグラーム石と、それを守っている蛇がいた。クディラムが急いでそこに行くと、いつの間にか蛇は姿を消していた。
 その石に付いていたしるしなどを調べると、それはまさにラーマの石であるサーラグラームであることがわかった。夢が事実になったことを知って、クディラムのハートは喜びに踊った。彼は自分は神の命を受けたのだと確信して、家に帰ると、その石を家の神として安置し、毎日礼拝することを始めた。

 はい。まあ、このカマルクプルに住み、クディラム一家は、特に主人のクディラムは、ラーマを自分のイシュタとして、まあラーマへの奉仕と礼拝に時間を注ぎ、ラーマに完全に帰依していましたと。で、その彼のイシュタであるラーマがあるとき、ヴィジョンとして現われたわけですね。ある木の下で休んで寝ているときに、子供の姿の少年の姿のラーマが現われて、「わたしは食べ物も、世話する者もなしに、長い間ここにいた」と。「わたしをおまえの家に連れていっておくれ」と、まあそういうことを言うわけですね。
 しかしクディラムは、「自分の家は貧しいので、あなたさまにふさわしいお仕えができません」って言うわけだけども、その少年のラーマは、「恐れることはない」と。「わたしはどんな不行き届きにも腹を立てない」と。「わたしを連れていけ」と。クディラムはそれを聞いて、その主の慈悲に感動し、泣き出しましたと。で、目が覚めるとそこに、夢で見たのと同じ風景があるのに気付き、そこに近づいてみると、サーラグラーム――サーラグラームっていうのは、まあ実際にはアンモナイトの化石といわれますけども、それがいろんな、それぞれの神を表わすサーラグラームがいろいろあるっていうんですね。なんかいろんな特徴があるみたいで、その特徴を見て、この特徴のサーラグラームはシヴァの象徴だとか、ヴィシュヌの象徴だとか、クリシュナの象徴だとか、ラーマの象徴だとかあるらしいですね。だからインド人は、そのサーラグラームを非常に大事に扱うわけですけども。
 ――で、パッと見たら、そのサーラグラームがあったと。しかもそれはなんか、蛇が守ってる感じだったと。しかし近づくと蛇はどっか行っちゃったと。そのサーラグラームを見て特徴を調べたら、まさにそれはラーマのサーラグラームだったと。だから今、「わたしはずーっとここで、誰にも世話されていなかった」と。ね。「だからおまえの家に連れてけ」っていう(笑)、そういうヴィジョンを見て、で、そこにサーラグラームがあって、見たらほんとにラーマのサーラグラームだったから、「あっ、これはまさに主が現われて、わたしに奉仕の機会をくださったんだ」と考えて、そのサーラグラームを家に持ち帰って、それを日々礼拝しましたというところですね。

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