波ではなく海を見よ
波ではなく海を見よ。
蟻と天使に違いを見るな。
すべての芋虫はナザレ人(キリスト)の兄弟だ。
どうしてある者は優れていて、ある者は劣っているなどといえよう?
それぞれが、それ自身の場所において偉大である。
われわれはここ、太陽と星々の中に存在している。
魂は空間と時間を超越し、すべてに遍在する。
主を讃嘆する口はすべて私の口であり、主を見る目すべてが私の目である。
われわれはどこにも限定されていないのだ。われわれは身体ではない。宇宙がわれわれの身体だ。
われわれは魔法のステッキを振る魔術師であり、意のままに自分の前に舞台を創造している。
われわれは巨大な蜘蛛の巣の中の多様な糸の上を望むように這う蜘蛛なのだ。
その蜘蛛は、今は自らが存在する場所の意識でしかないが、やがてはその蜘蛛の巣全体の意識となるだろう。
われわれは今、肉体のある所にのみ意識を持っていて、たった一つの脳しか使えない。しかし超越的意識に達すれば、われわれはすべてを知り、すべての脳を使えるようになる。
今でさえ、われわれは意識に一撃を与えることができる。そうするとそれは一線を超え、超意識の中で行動する。
われわれは、さらにもっと「私」をなくし――すべてを映しつつずっと変わることのない透明な水晶になるように努力している。
その境地を得るならば、そこにはもう行為は存在しない。肉体はただの機械となり、それを気にかけることがなくなり、純粋になる。それは不純にはなりえない。
あなたは無限であり、恐怖は死ななければならないと知りなさい。
「私とわが父(なる神)は一つである」と、常に言いなさい。
――スワミ・ヴィヴェーカーナンダ