捨てるべきもの
瞑想の邪魔になるもの、それを仏教で五蓋といいます。それは以下の五つです。
1 貪欲蓋
文字通り、いろいろなものへの貪欲、執着、欲望の心が強すぎると、そちらに心を奪われ、瞑想ができません。ですから様々な執着、欲望の心を弱めておく必要があります。
欲望をステロというのは、道徳論ではありません。もっと大事なもの、自分や宇宙の本質への集中がおろそかになるから、一般的な欲望は邪魔なのです。
別の言い方をすると、対象の本質に本当に集中できると、欲望は自然に消えるのですが。
普通は集中が弱いがために欲望が増し、それによってさらに集中が弱まるという、悪循環に陥っています。
ですからとっかかりとして、本当は最初はどんどん欲望を放棄していく試みをするほうがよいのです。
2 瞋恚蓋
瞋恚とは怒りのことです。怒りとか憎しみがあると、瞑想ができません。ですからその場合は、逆に慈悲などの心を培う必要があります。
3 こん眠蓋
これはすぐに眠ってしまったり、怠けたくなったりする状態ですね。こういう状態の場合、まずはアーサナや呼吸法でしっかり気を通し、心身をリフレッシュさせてから瞑想したほうがよいと思います。
4 じょう悔蓋
これは心が浮ついていたりざわついていたり、あるいは逆に卑屈や後悔の念に襲われすぎている状態です。
別の言い方をすると、未来や過去への妄想が強すぎる状態です。
これはもちろん、心の整理をして、「今」だけに集中する訓練をすべきです。
また、アーサナや呼吸法などのヨーガ修行で気を通したり、気を上げたりするのも、現実的には有効です。
5 疑蓋
自分がやろうとしている瞑想や、そういったヨーガや仏教の修行自体に対する信頼が薄いと、心が蓋をしてしまうので、なかなか結果が出ません。
妄信はいけませんが、少なくとも自分がやるべき修行については、しっかりと信頼をもって挑むべきです。どうせやるならね。
以上の点を取り除くように注意して行なえば、瞑想は大きな結果を生みやすくなります。
まあ、簡単なことですが、瞑想の実践をする人の参考になれば幸いです。
そして、この五蓋の五つのカテゴリーのそれぞれには、ここに書かなかった、もっと深い意味合いもいろいろあります。それは瞑想を実践する皆さんが、考えて実践してみてください。