彼女のお遊び
おお、彼女はさまざまの方法でお遊びになる。
マハーカーリー、二ティヤ・カーリー、スマサナ・カーリー、ラクシャ・カーリー、およびシャーマ・カーリーと呼ばれているのは、全部彼女である。
マハーカーリーと二ティヤ・カーリーはタントラ哲学で使われている名だ。創造もなく、太陽も月も星も地球もなく、虚空が虚空に包まれていたとき、母、形なき者、マハーカーリー、偉大なる力は、絶対者マハーカーラと一体であった。
シャーマ・カーリーは幾分かやさしい面を持っており、ヒンドゥーの家庭でまつられている。彼女は恵みの授与者であり、恐怖を追い散らすものである。
人々は伝染病が広がっているときや、凶作、地震、日照り、洪水などの時には保護者ラクシャ・カーリーをまつる。
スマサナ・カーリーは破壊力の権化である。彼女は死骸やジャッカルや恐ろしい女の霊に囲まれて火葬場に住んでいる。その口からは血が流れ出し、首には人間の頭で作った輪をかけており、腰には人間の手でできた帯をしめている。
大周期の終わり、宇宙が破壊された後には、母なる神は次の創造のために種子をお集めになる。彼女は、家事に入用の雑多な品々を入れておく瓶を持った年配の主婦に似ている。
おお、そうだよ。主婦たちはそういう瓶を持っているだろう。イカの骨や、青い丸薬や、きゅうりやカボチャやひょうたんなどの種子の小さい包み紙などを入れておき、入用のときにそれらを取り出す。同じように、宇宙破壊の後、ブラフマンの権化であるわが母なる神は、次の創造のために種子を集めておかれる。創造の後には、本源力は宇宙そのものの中に宿る。彼女はこの現象世界を生み、それからそれに遍満なさるのだ。ヴェーダでは、創造はクモとクモの巣にたとえられている。クモは自分の体内から糸を出してその巣の中に住む。神は宇宙の容器であり、同時に中身でもあるのだ。
わが母なるカーリーは黒い肌の色をしておられるのか。彼女は遠くから見るから黒く見えるのであって、身近に知ればそうではない。
空は遠くからは青く見えるが、近寄って見れば色がないということがわかるだろう。海の水は遠くからは青く見えるが、近くに行って手にすくって見れば、色はないことがわかる。
束縛も解脱も、ともに彼女のおつくりになるところだ。彼女のマーヤーによって世間の人々は「女と金」に巻き込まれ、そしてまた、彼女の恩寵によって彼らは解脱を得るのだ。彼女は救い主と呼ばれ、また人をこの世に縛り付ける束縛の除き手と呼ばれる。
--シュリー・ラーマクリシュナ