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山のダルマ(2)

第一項目「準備」

 まずは、第一項目の「準備」について少し述べよう。

 おお、心よ。心には山がある。しかし、この生気に満ちた高所と重苦しい谷を備えた荒涼とした心は、クンツサンポ(サマンタバドラ)と共に、ありのままに今、ここに生じている。そして、「すべては自分自身である」と知るクンツサンポは、自由そのもの。しかし、心の本性を認識できない者たちは、延々と回り続ける生の車輪に振り回されている。時が経つと、彼らは心身の六つのシンドローム(人間・神・阿修羅・餓鬼・動物・地獄)を数え切れないほど経験する。そこでの人生は全く無意味なものである。

 今、人間の生という最高のチャンスを得たからには、あなたは悪趣に堕ちるのを防ぐためにそれを使わねばならない。それに失敗したら、あなたは死後どこに生まれれるか分からない。そして、六つの世界のどこに生まれても、あなたは苦しむことになるだろう。
 さらに、人間の体を得るだけでは不十分である。死の瞬間は不明確であるのだから、今この瞬間に為すべきことを為さねばならない。もし今為すべきことを為せば、あなたはミラレーパのように、死のときには恥や後悔を感じることは一切ないだろう。ミラレーパは死のときにこう言った。

「わたしは修行生活のことで、己をとがめる理由が見つからない。」

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