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勇敢

 自分自身を恐れ、世界が脅威をもたらすように見えるとき、人間はこの上もなく利己的になるものだ。自分の小さな巣、自分の繭を作って、その中で自分だけは安全に暮らしたいと思う。
 だが、わたしたちははるかに勇敢に生きることができる。わたしたちは自分の家庭を超えたもの、心地よく燃える暖炉の火を超えたもの、朝、子供を学校まで送っていったり仕事を始めたりといった日常性を超えたところのものに、目を向けなければならない。どうやったらこの世界の助けになれるだろうか、と考えてみるべきなのだ。わたしたちが助けない限り、この先だれも助けようとしないだろう。今は、わたしたちが世界を助ける番なのだ。
 他人を助けることは自分の個人的な生活を見捨ててしまうことではない。他人を助けるために家庭をないがしろにして、市長になったり、合衆国のっ大統領になったりしなくても、自分の家庭や友人や身の回りの人たちから始めていけばいい。実のところ、自分自身から始めればいいのだ。大事なのは、自分は決して義務を免れ得ないということに気づくことだ。全世界が助けを求めているのに、のんびりとかまえてなんかいられない。

 ――チョギャム・トゥルンパ

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