yoga school kailas

ヨーガを始める人のために


ヨーガ修行といってもまず何から始めたらいいのかわからない、という質問をいただきましたので、ヨーガ修行を始めるうえでまず始めるべきことを、少しまとめてみたいと思います。

 理想的には、本当は、禁戒・勧戒の実践から始めるのが理想です。
 禁戒・勧戒について細かく書くと長くなってしまうので、要点だけまとめてみます。細かく知りたい人は、連載中のヨーガ・スートラの解説などを参照してください。

細かく書かずに要点だけまとめると、

・決して他者に害意を向けない。
・生き物を(虫なども)殺さない。
・自然に与えられたもので満足する。
・愛のないセックスやマスターベーションをしない(可能ならば一定期間だけでも完全禁欲する)。
・嘘・悪口・陰口などを言わない。
・決めたこと、口に出したことを守る。
・常に自分の心が清浄であるか、自己チェックをし続ける。
・神や教えに誠実に生きる。
・教えや修行を実践するうえでやってくる様々な苦しみに耐える。
・聖典や正しい教えが書かれた本を毎日読み、学ぶ。
・日々、神に祈りをささげる。

 これらを、できるだけでもいいのでしっかりと日々守るようにするのが第一ですね。
 
 その上で、アーサナ、呼吸法、瞑想などを進めていくのが、本当は理想です。

 これはいわゆるパタンジャリのアシュターンガ(八段階)ヨーガのシステムですが、他のヨーガや仏教の体系でも、基礎で行なわなければならないことは、だいたい同じです。

 アシュターンガ・ヨーガといっても、最近流行っているアシュタンガヨガとは違います。あれはアーサナに偏り過ぎな気がしますね。本来のアシュターンガにおけるアーサナは、そののちの呼吸法や瞑想のための座法がしっかりと組めればいいので、激しいアーサナやアクロバティックなアーサナを追求する必要はありません。

 まとめると、まず日々行なうこととして、
①上に書いたような事を基準として、日々正しく生きる訓練をする。
②日々、聖典を読んだりして教えを学ぶ。

 これらをベースに、時間があるときに、
③アーサナ、気功などの身体技法
④呼吸法
⑤瞑想

 などの行法を、できる範囲で、自分の好きなものから進めていくといいでしょう。

 特に「教えを学ぶ」というのは大事です。といってもたくさんの種類の本を読む必要はありません。種類は少なくてもいいので、心に刻み込むように繰り返し読みます。
 個人的には、バガヴァッド・ギーターや、入菩提行論などをお勧めします。

 行法の優先順位としては、私はまずは呼吸法をしっかりやるといいと思います。アーサナや瞑想をやらない日があっても、呼吸法だけは、5分でもいいので、毎日やるといいと思います。
 これは流派によってはいろいろと異論があるでしょう。アーサナを固めてから呼吸法に移るべきだ、と考える流派も多いです。しかしわたしの個人的見解では、呼吸法を優先すべきだと考えます。

 瞑想も、ただぼーっとして無になる瞑想をするよりは、自分を作り替えていくような瞑想に重点を置いたほうがいいと思います。できれば指導者から指導を受けるのがいいでしょう。
 よくわからなかったら、瞑想に関しては、まずは心に神を思い描くのがいいと思います。

 もう一回まとめますと(笑)、

①日々の生活の中で、できる範囲から、戒律や教え通りに生きる訓練をする。
②毎日、聖典などの教えを学ぶ。
③毎日、少しずつでもいいので、アーサナ・呼吸法・瞑想などを行なう。
 呼吸法だけでも、5分でもいいので毎日行なう。

 こういうところから始めていくといいと思います。 

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