パドマサンバヴァの秘密の教え(44)「十の欠陥」
◎十の欠陥
師パドマはこう仰った。
「ダルマを修習する時、十の欠陥に陥らないように確認しなければならない。」
ツォギャルは尋ねた。
「その十の欠陥とは何なのでしょうか?」
師はこうお説きになった。
「一.たとえ瞑想の訓練をしていても、それが煩わしい感情や思考に対する改善策にならないのなら、口頭での教示が効果を発揮していないということである。
二.たとえ心を認識したとしても、もしそれが意識の偏りを解放していなければ、まだ特別な教示に出会っていないということである。
三.たとえ強い帰依の心を持っていても、もし神の祝福を受けられないのなら、まだ成就した師との縁を持っていないということである。
四.たとえ非常に努力しても、もし修行が進んでいないなら、まだ心が充分に浄化されていないということである。
五.精神修行に取り組んでいるとき、もし疲れを感じるならば、まだ覚醒の自然な状態を認識したことがないということである。
六.修行していても、もし心がまだ散漫ならば、まだ瞑想に信を得ていないということである。
七.たとえ心が静まっても、もし心に真実の経験が直接に生起しないならば、シャマタの中に迷いこんだだけということである。
八.もしあなたの中に観照の強さが生起しないならば、現象として現われることをどのように道への道具として受け取るかを知らないということである。
九.もし煩わしい感情を通り抜けるのが難しいと思うなら、五毒を道としてみなす方法を知らないということである。
十.もし苦しみや困難に対処できないなら、あなたの心を輪廻から離す方法を知らないということである。
いずれにせよ、欠陥だらけでありながら、自分はダルマを修習していると主張する者に、幸福を得るチャンスなどがあるだろうか?」
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