パドマサンバヴァの秘密の教え(39)「マントラの十の基礎と、他の秘密の教え」
4.マントラの十の基礎と、他の秘密の教え
――質疑応答による深遠なる助言
グルに帰依し奉ります。
偉大なるグル・パドマカラ(パドマサンバヴァ)は、蓮の花から生まれ、人間の子宮に汚されることはありませんでした。彼は様々な苦行を行い、生命を支配するヴィディヤーダラのレベルに達し、生と死の河を止め、そこに留まり続けています。
彼は八万四千のダルマの道を教えました。彼は六つの世界の生き物と八つの世界の神々と悪魔の言葉を理解しました。ブラフマーのような声を持ち、すべての生き物に利益をもたらします。
彼の心は全能の現われを備えています。彼は生起して消滅する移り変わりの本質を理解し、物事の本質と部分を別のものとはしていません。
すべての必要な資質は彼自身から生起するため、彼はすべての高位のものの基礎であり、源です。彼はすべての生き物を従わせる手段に高い才能を持っています。
彼の活動により諸々のスガタの心が呼び覚まされ、神々と悪魔の八つの世界の生命力と心がコントロールされます。
パドマカラは海上のとある島で生まれ、ウッディヤーナ王国を治めました。彼は八つの火葬場で苦行しました。インドで苦行を修め、慈悲によってチベットにやってきました。彼はチベットの王の願いをかなえ、インドとチベットの王国に平和をもたらしました。
この親切な師は、カルチェンの王妃である私ツォギャルを、私が十三歳のとき、彼の精神的配偶者として受け入れて下さいました。私は信仰心、慈悲心、利他心、忠実さ、高度な理解力がありましたが、ただの少女でした。
百十年間(半年を一年と計算して)、師はチベットに留まって下さいました。私は師に仕え、師を喜ばせました。師は、師の心のエッセンスである口頭での教えの真髄を、すべて余すところなく私に授けて下さいました。この間、私は師の教えのすべてを責任をもって書き残し、それを貴重な宝として隠しておくことにしました。
◎十の修習の基礎
師はこのように仰った。
「ダルマを修習するとき、あなたは十の修習の基礎を完全に訓練しなくてはならない。」
ツォギャルはこう尋ねた。
「その十の基礎とは何でしょうか?」
師はこうお説きになった。
「一.空高く飛翔するガルダのように、
すべての教えを理解し、達成しなさい。
そして真実の見解を培って、
大いなる菩提心を決意しなければならない。
二.水の中に入って行く象のように、
何事にも怯えることなく、
真実の行為を通して、堅固さを見つけなさい。
三.暗い部屋にランプを灯すように、
無智の暗闇を晴らすサマーディの訓練をしなさい。
四.如意宝珠を見つけたかのように、
習性から生じるすべての現象を解放し、
教えを通して目的を成就しなさい。
五.王位を継承する王子のように、
輪廻に落ちる恐怖から自由になり、
グルの祝福を受けて、段階的に進歩していきなさい。
六.肥沃な土地のように、
あなたのどんな行動も無駄にせず、
サマヤ戒を守ることで、覚醒の土台を保ちなさい。
七.優れた馬が手綱から自由であるように、
ダルマのすべての局面に熟達し、学ぶことを通して、
あなたの存在を解き放ちなさい。
八.巣を探す蜜蜂のように、
ダルマのすべての流派を理解し、
すべての源は同じであると理解しなさい。
九.商売人が利益を一つにまとめるのと同じように、
数多くの教えはすべて一つの味であると理解して、
それらを一つのポイントに集約しなさい。
十.スメール山の頂上に到達するように、
明確に疑念なく、すべての教えの意味を理解し、
高い叡智に到達しなさい。
これらのポイントにおいて自ら訓練することなく、博学でありたいと思っている人々は、本質的な意味において博学にはなれず、単に宗派主義の教義を多く学んだエキスパートになる。これは、これらの十の修習の基礎に習熟しなかった間違いによるのである。」
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