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パドマサンバヴァの秘密の教え(33)「三つの精神的な悪徳」

 三番目には、三つの精神的な悪徳がある。

☆愛著

 最初は愛著である。これは喜ばしい対象への執着である。

 分類すると以下のタイプがある。

1.あなたの所有物を与えることをためらう。

2.他人の所有物を自分の物にしたいと望む。

3.自分のものでも他人の物でもない物だが、素晴らしい物に執着する。

 ツォギャルよ、物質的なものに対して所有者であろうとすることに執着するな。
 ダルマの実践者で非永続性を理解しない者には幸せはないのだ。

 この行為は四つの完成させる条件によって完成し、以下の三つの結果となる。

1.成就の結果は、三つの低い領域に生まれるということだ。

2.たとえ人間に生まれたとしても、常に飢餓と渇きに苦しむ不快なところに住まうことになる。

3.未来の生においても貪欲さを楽しむであろう。

 ツォギャルよ、故にこれらの行動を捨てることが大切なのだ。

☆邪悪な意図

 二番目の精神的悪徳とは、邪悪な意図のことであるが、つまり敵意ある態度のことである。
 分類すると以下のようになる。

1.怒りから発する邪悪な意図

2.憤慨から発する邪悪な意図

3.嫉妬から発する邪悪な意図

 ツォギャルよ、自分と他人を傷つける精神的な行為をなしてはならない。
 この行為は四つの完成させる条件によって完成し、以下の三つの結果となる。

1.成就の結果は、三つの低い領域に生まれるということだ。

2.たとえ人間に生まれたとしても、他者はあなたに不当な敵意を持ち、あなたは常に敵に会い、訴訟沙汰を経験するだろう。

3.未来の生においても悪意のある気持ちを起こすだろう。

 ツォギャルよ、もしあなたが邪悪な意図を止めないなら、小乗も大乗もどちらも行ずることはできない。

☆誤った見解

 三番目の精神的な悪徳は、誤った見解である。

 分類すると以下のようになる。

1.永続性や虚無主義といった、真理と反する信条を持つ誤った見解

2.間違った霊的な行や儀式を最重要とする間違った見解

3.五蘊は自分であると信じる誤った見解

 ツォギャルよ、法と非法の違いを理解する人はほとんどいない。

 この行為は四つの完成させる条件によって完成し、以下の三つの結果となる。

1.成就の結果は、三つの低い領域に生まれるということだ。

2.たとえ人間に生まれたとしても、未開の偏狭の部族のいるようなところに生まれるだろう。そこでは三宝という名さえ聞かないだろう。

3.誤った見解をもつ習慣的傾向がすべての見地において強固となり、未来においても間違った見解を好むようになるだろう。

 ツォギャルよ、高貴な人はすべてこれらの十悪を非難し、これらを正しく学んだすべての人は、これらを捨てるのだ。これらは、特別な華麗さや神と人間の富を手にいれようと求める人でさえも犯さないのだ。ゆえにこれらを捨てなさい。
 善と悪を識別せずに仏陀の教えに入っている人は大勢いる。善なる行為と間違った行為の果報をよく知っていながら悪しき行いを犯すことは、動物と何ら異ならない。

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