パドマサンバヴァの秘密の教え(127)「25人の弟子たちへの歌②」
「聞きなさい、ヴァイローチャナよ、尊敬すべきものよ!
現われ、存在するすべてのもの、輪廻とニルヴァーナは、自身の心から生じる――
つかみどころのない心は、中心と端から解放されている。
自然的で、本来備わっている広大な平等性の本質的な状態の中で、
大楽の平安にとどまるのだ!
あなたが考えるすべての思考、それは覚醒の空間として生じる――
ブッダとは、これ以外の何ものでもない。
自己認識の覚醒が完全に実現されるとき、
『ブッダ(覚者)』という名が与えられる。」
「聞きなさい、ギェルモのユタ・ニンポよ!
心は生じていず、ものは少しも見られることはない。
概念を形成しない自由な思考は、あなたの思考に従わないのだ!
よって、肯定と否定をせず、自身の中で解き放ち、とどまるのだ!
この状態で、思考の流れは切断され、
完全なる叡智は、輪廻とニルヴァーナの境界線を明らかにする!」
「聞きなさい、ヌブの托鉢僧ナムカイ・ニンポよ!
心とは、エゴと自己から解放された、純粋なものである。
よって、その自己生起・自己消失の状態にとどまり、ごまかしから解放されなさい!
そのとき、歓喜が内側から生じ、
前進のサインが自然に生じる――
これは、それ自体覚醒の境地なのである!」
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