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パドマサンバヴァの秘密の教え(107)「崇高なダルマの修習」

◎崇高なダルマの修習

「聞きなさい、未来際において私の言葉に従う恵まれた者たちよ!

 まず最初に、修行の道に入る際は勤勉でなければならない。

 過去において本当に計り知れないほど長い間、あなたはまやかしの経験に夢中になり、あなたのなすことはすべて迷妄で誤った方向へ向かった。

 あなたが人間の体を有する今のうちに、この迷妄を切り捨てなさい。

 すべての衆生は、無明の暗闇に覆われている。

 二元的な経験が生じる時、二元的な固定化によって固定される。

 あらゆる状況において、衆生は救いようのない行動をとる。

 この迷妄の六道の牢獄はとても堅固である。

 人間の体を得るのは非常に難しい。

 それを得たとしても、本当に僅かな人々のみが、仏陀の名前を耳にする。

 それを耳にした後、そのうちの誰かが信を覚えるのは非常に稀である。

 たとえ一度信を得てダルマの道に入っても、多くの頑固な野獣のような人々は、サマヤ戒や教えを破り、転げ落ちてしまう。

 これらの衆生を目にして、菩薩は悲嘆し、私パドマカラは苦悩する。

 ツォギャルよ、仏陀の教えが存在する地で、何生にも渡って膨大な徳を積んだために完全な人間の体を得た人々でさえ、未だ六道のカルマを持っている。

 彼らの中の幾人かは、仏陀の資質を耳にすると愛著と嫌悪の炎を燃え立たせ、他の人々も関心を持つのではないかと心配する。

 誰かが聖なるサンガに出家すると、彼らは輪廻が枯渇するのではないかと心配する。

 このタイプの愛著と嫌悪は、地獄へ落ちる種子となる。

 将来、このような人々は、決して三宝の名前を耳にすることのない所へ転生する。

 今生きている、あるいは将来現れるあなた方、そして私の言葉を正しく聞く人々は、次のようになしなさい。

 あなたが得た人間の体を生かすために、あなたには崇高なダルマが必要である。

 ダルマの修習をするよりも俗世の地位や名誉に執着して渇望する人々は、動物界の最上界に属する者たちである。
 注意深く考えてみなさい。
 この肉体が快適かどうか、それが永続するかどうか、自分が成功するかどうか、親密な者たちが恩恵を受けるかどうか、敵対する者が同じやり方で報いを受けるかどうかなどを心配すること、これらのすべては俗世の人々が有するものである。
 空の鳥たち、地上のねずみたち、地中や石や岩の下に住むアリたちも、それと同じものを有する。
 すべての動物たちはそれを持っている。
 よって、それらと同じ悩みを持ちつつ、単に他の動物より敵の害が少ない人間たちは、単に動物界の最上界にすぎないのである。

 ダルマを修習するためには、愛著を故郷に捨て去ってこなくてはならない。

 あなたの故郷は、愛著と嫌悪の発祥の地である。

 今必要なだけの食物と富を持ち運びなさい。

 あなたの中から食べ物と衣服への執着が放棄されるまで、そのようにしなさい。

 あなたの気を散らす持ち物は持たないようにしなさい。

 野蛮な人があまりいないところを探しなさい。
 あなたがただ生きていくのに必要なだけの食物を持ち、独居生活を送りなさい。

 最初は、あなたの悪行を浄化しなさい。

 次に、あなたの念を正智しなさい。

 自然な心の状態に、思考の投影があらわれても、それは空であると知りなさい。

 邪魔されない思考の投影の発生は、認識の明晰さだ。

 思考の投影を追いかけてはならない。

 認識の明晰さに執着してはならない。

 あなたの心を緩めてその精髄を認識することで、あなたの自然な認識であるダルマカーヤが分かり始める。

 時折、障害を浄化する修習をして、心を高揚させなさい。

 もしあなたがこのような私の教えに従えるなら、まさに今生においてヴァジュラダラの境地を得ることができるであろう。

 ツォギャルよ、暗い茶色で憤怒の形相の者が、釈迦牟尼の教えの時代の終わりの方で現れるであろう。

 彼の利益の為に、これらの私の言葉を、茶色のサイの皮で出来た宝石箱に封じ込めよう。」

 このように彼は語った。

 ウッディヤーナのパドマサンバヴァの「宝の釘」という題名の遺言は、これにて完結した。

 秘密にせよ、封印せよ、封印せよ、封印せよ。

 高潔であれ。

 高潔であれ。

 高潔であれ。

 サルヴァ・マンガラム

 すべてが純粋でありますように。

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