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ジグメ・リンパの生涯(8)

 そののち彼は、ミンドルリン僧院のドゥプワン・ウギェン・パルゴン(シュリーナータ)――彼は、ジグメ・リンパの遠戚でもあった――から、17のニンティク・タントラの伝授、つまりヴィマ・ニンティク、ラマ・ヤンティク、ならびに他のいくつかのニンマの伝授や教えを受け取りました。それ以前に、彼はタンドクパとネテン・クンサンから、ニンティクの教えやロンチェン・ラプジェムの書物を受け取っていました。しかしながら、最高のニンティクの教えの完全かつ簡潔な形での伝授は、3つの純粋なヴィジョンの中で、ロンチェン・ラプジャムから直接彼にもたらされました。
   
 彼は独居修行から出てきて、数年にわたる洞穴生活の間の食糧不足と粗末な衣服のために、自分の体が完全に疲弊していることに気づきました。彼はこう記しています。

「食物をほとんど摂らずに厳しい環境にさらされていたために、私の前世からの悪しきカルマやカルマの負債の残りがすべて自分の肉体に成熟し始めました。
 プラーナ(ルン)の異常のために、まるで誰かに岩で打たれているかのような痛みが背中に生じました。
 プラーナと血液の循環がかき乱された結果、まるで釘を打ち込まれてるかのような痛みが胸に生じました。
 象皮病のために、私の身体は非常に重くなり、足を上げられないほどでした。
 100歳の老人のように、私は身体の全エネルギーを使い果たしていました。
 食欲さえほとんどなく・・・・・・3歩進むと、身体は震え始めました。
 しかし私は、こう思いました。
『ああ、もし死ぬとしたら、私は初期の成就者たちによってなされたアドバイスを成就することになるだろう。それはこうだ。
「あなたの心をダルマに託しなさい。ダルマの修習に乞食生活を託しなさい。」』
 私はゾクチェンの悟りに自信を持っていたので、私の心にはどんな不安な考えもわき起こる可能性さえありませんでしたが、老齢や病で苦しんでいる他の者たちに対する慈悲の思いが湧き起こりました。」

 それから彼は、長寿の聖者タントン・ギャルポの純粋なヴィジョンを目にし、一切の現象が至福と空性の合一の中へ溶け込みました。その結果、彼は次のような悟りの力を歌にしました。

「私は主である偉大なる聖者に礼拝を捧げます。
 私は、見解の頂であるゾクチェンを悟りました。
 一切がその見解として解放されるとき、瞑想すべきものはありません。
 私は、行為の王である瞑想の旗を広げます。
 今や、乞食である私には、たとえ死んだとしても、何の後悔もありません。
 乞食である私は、‘病を道に変える方法’を知り、
 功徳の源であるグルを頭頂の至福のチャクラに観想しながら、
 深遠なグルヨーガの道を瞑想します。
 病と苦しみは、悪しきカルマを一掃する箒であり、
 病を師の祝福として悟ることによって、
 私は病をグルとして瞑想し、そして彼から4つのイニシエーションを受け取ります。
 ついに、グルを自分自身の心として悟ることによって、
 私は一切のものを、原初的に純粋で全く言い表すことのできない真の心の本性へと解放します。」

 彼は究極のサマンタバドラの顔、つまりダルマカーヤを悟り、一切の病は究極の領域へと溶解しました。すぐに彼は、もはや何の痛みや障害もない力強さを得ました。

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