サーダナーの指針の花輪(81~90)
81.
欲望はおびただしく、数えきれず、飽くことがなく、達成されるということがない。
欲望を追求して楽しんでも、決して満足には至らず、よりいっそう欲望は強くなり、増加し、悪化する。
82.
欲求することから、自我意識が生じる。
自我意識から、名前と形が生じる。
名前と形から、感覚器官(とその対象)が生じる。
感覚器官とその対象から、感覚が生じる。
感覚から、とらわれが生じる。
とらわれることによって、この世に生まれる。
この世に生まれることによって、老い、死、苦痛、悲哀、惨めさ、悲惨、憂い、受難が生じる。
よって、欲求は、苦痛の集積である。
寂静、平等心、放棄、克己と瞑想によって、この欲求の炎を消しなさい。
至福に満ちたブラフマンまたは真我の純粋性の上で。
83.
欲望の断滅によって、至高者のもとに至る。
欲望はとらわれを生み、この世に再び生まれる因となる。
この欲望と希望の網を粉砕して、心を浄化しなさい。
純粋な心を取り戻して至高の真我を悟り、永遠の至福の座に到達しなさい。
84.
意識は欲望によって地上に強く縛り付けられ、欲望からの解放によって地上の誘惑と思いから解放される。
意識の中に潜む欲望は、粗雑な物質に心を縛り付け、世俗の束縛という牢獄に魂を投げ込むのである。
85.
欲望から自由な者だけが、最高の支配者である。彼は乞食であっても王である。
多くの欲望を持つ者は、本当に、この地上における最も惨めな存在である。
86.
欲望があるところにはいつでも、輪廻の世界がある。
欲望の破壊は至福の国であり、欲望なき人は最強の王である。彼は五大元素にさえ命令を下すことができる。
87.
ブラフマンを悟りたいという欲は、すべての欲望を満たす。
88.
力への欲望は、慎重に管理されているヨーガの灯火を吹き消してしまう一陣の風のようなものである。
89.
微細な欲望、微細な執着や繋縛、エゴの欲望、野心などが潜在意識に残っていると、たとえクンダリニーが覚醒したとしても、あなたはあまり利益を得られず、むしろ転落するだろう。
90.
心の寂静は、欲望の根絶によって達成され得る。