グル・リンポチェ(大聖パドマサンバヴァ)(7)
◎サホールのマンダーラヴァー王女
ダートヴィーシュワリーの化身であるマンダーラヴァーは、サホールのラトナプリで、吉兆な印に囲まれて生まれました。ほとんどの学者たちは、サホールは今の北インドにあるヒマーチャル・プラデーシュのマンディだと主張しています。
マンダーラヴァーの父親はアルシャダラ王で、母親はハウキといいました。
彼女の名声と美しさによって、多くの王たちが求婚のための懇請や脅しで王宮を乱したため、マンダーラヴァーは非常に悲しんでいました。彼女は現世に強い嫌悪を感じ、残りの現世の人生を放棄して、出家して尼僧になりました。
グル・リンポチェは神秘的な力によって、マンダーラヴァーと出会う時期だと感知し、マンダーラヴァーとその百人の官女が尼僧として暮らす尼僧院へと行き、彼女たちに教えを説きました。このことが悪意をもって王に報告され、グル・リンポチェは巨大な薪の山の上で焼かれ、マンダーラヴァーは針だらけの穴に投げ入れられましたが、グル・リンポチェは神通力で火を湖に変えました。グル・リンポチェは湖の真ん中で、蓮の上に座っている姿で発見されました。
王と大臣たちは、激しい後悔の念と新たな信をもって悪事の許しを請い、グル・リンポチェに、王国とマンダーラヴァー王女を差し出しました。
サホール王国でグル・リンポチェはタントラの教えを説き、王や王女、大臣を含めた多くの人々が、ヴィディヤーダラのステージに到達しました。マンダーラヴァーはグル・リンポチェのコンソートとなり、二人はマラティカ渓谷に行き、長寿の仏陀であるアミターユスの瞑想を行いました。グル・リンポチェとマンダーラヴァーは無限の生の仏陀のヴィジョンを見、生をコントロールする力を持つヴィディヤーダラの境地に到達しました。
その後、マンダーラヴァーはインドで利他行に専念し、グル・リンポチェはチベットへと旅立ちました。マンダーラヴァーもまた神通力とヴァジュラの光の身体を使い、チベットを二度訪問しました。