ガンジス河の散歩
私はカラ・パトリに、彼の放浪生活について尋ねてみた。
「あなたは冬でも、他に着物を着ないのですか?」
「着ません。これで十分です。」
「あなたは本をお持ちですか?」
「いいえ。人にものを訪ねられたときは、記憶の中から答えます。」
「他にはどんなことをなさいますか?」
「ガンジス河のほとりを散歩します。」
この淡々たる答えを聞いたとき、私の心に、彼の素朴な生活に対するあこがれが強くわいてきた。私は、アメリカと、自分に負わされた重い責任の数々を思い起した。
『いけない! ヨガナンダ!』私は一瞬寂しく自分に言い聞かせた。『この生涯では、ガンジス河の散歩はお前には許されていないのだ!』
(「あるヨギの自叙伝」より)