ガティーカーラ経(4)
大王よ、また、私はかつて、同じヴェーバリンガの町に滞在していました。ある日、大王よ、私の住まいは雨漏りしました。大王よ、そこで私はビックたちにこう告げたのです。
「行きなさい、ビックたちよ、ガティーカーラ陶工の住まいに藁があるか確かめなさい。」
大王よ、こう言われて、ビックたちは私にこう言いました。
「尊師よ、ガティーカーラ陶工の家には藁がありません。ただし、彼の家は草で藁かれています。」
「行きなさい、ビックたちよ、ガティーカーラ陶工の家の屋根をはぎ取りなさい。」
大王よ、そこで、彼らビックたちはガティーカーラ陶工の家から屋根をはぎ取ったのです。大王よ、そのとき、ガティーカーラ陶工の父母は、ビックたちにこう言いました。
「家から屋根を取るのは誰ですか?」
ビックたちはこう言いました。
「ご両親、アラハント・正しく最上の覚醒を得た人であられる仏陀カッサパのお住まいは、雨漏りしているのです。」
「尊者たちよ、どうぞ持っていきなさい。幸せをもたらすお顔の方々よ、どうぞ持っていきなさい。」
さて、大王よ、ガティーカーラ陶工は父母のところに戻ってきました。来て、父母にこう言いました。
「我が家の屋根を取ったのは誰ですか?」
「ビックたちだ。我が子よ、アラハント・正しく最上の覚醒を得た人であられる仏陀カッサパのお住まいが、雨漏りしているのだ。」
大王よ、そのとき、ガティーカーラ陶工には、このような思いが生じたのです。「私にとって、本当に利益である。私にとって、本当に素晴らしい利益である。アラハント・正しく最上の覚醒を得た人であられる仏陀カッサパが、こうも信頼してくださるとは!」と。
そのとき、大王よ、ガティーカーラ陶工は半月間、父母は七日間、歓喜と幸福感が去らなかったのです。
大王よ、その家は丸三か月間、屋根がなかったのに、雨が漏ることはありませんでした。
大王よ、ガティーカーラ陶工とは、このような人なのです。』
『尊師よ、ガティーカーラ陶工にとって、利益であります。尊師よ、ガティーカーラ陶工にとって、素晴らしい恩恵であります。仏陀がこのように信頼しておられますとは!』
さて、アーナンダよ、カーシ王キキンはガティーカーラ陶工に、精白された米飯と、それにふさわしいスープの材料、五百の荷車を贈った。アーナンダよ、そのとき、王の家来は、ガティーカーラ陶工のもとに来て、こう言った。
『友よ、これらの精白された米飯と、それにふさわしいスープの材料を載せた五百の荷車は、カーシ王キキンがあなたに贈られたものです。友よ、これを受け取ってください。』
『王様は、多くの為すべきこと、多くの果たすべきことをお持ちです。私にお構いくださるな。(それらの財は)王のためにだけあるべきです。』
アーナンダよ、もしかするとあなたには、このような思いが浮かぶかもしれない、『かのときのジョーティパーラ青年は、きっと別人だろう』と。アーナンダよ、しかし、これはそのように見てはならない。そのときのジョーティパーラ青年は、私であった。」
このように世尊はお説きになった。歓喜した高弟アーナンダは、世尊の説かれた言葉を喜んで受け入れた。
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