アディヤートマ・ラーマーヤナ(5)「ラーマが降誕される」
第三章 ラーマの降誕
◎息子のためのダシャラタの犠牲供養
アヨーディヤーに、最高に真理に専心し、勇敢で、世界中に名高いダシャラタという名の王がいた。彼は、自分には息子ができないのではないかと心配し、ある日、正式な形で家系のグル・ヴァシシュタに敬礼をした後、彼にこのように申し入れた。
彼はこう言った:おお、師よ! どうしたら私は、すべての吉兆の特徴を持った立派な息子に恵まれるのでしょうか? 私の全王国は、私が私の後を継ぐ息子に恵まれないために、私にとってのただの悲しみの原因となってしまっています。
それから、聖仙ヴァシシュタは彼にこう言った。
そなたは、方位の守護神と等価となるであろう四人の立派な息子を授かるでありましょう。早急に、サンタの夫である苦行者の聖仙リッシャシュリンガを何とかここにお呼びし、最高位の祭司であるリッシャシュリンガと共に、息子が欲しい者によって為されるべき儀式「プットラ・カメーシュティ」を執り行いなさい。そなたの家族である我々が、彼のアシストをしましょう。
この指示に従って、ダシャラタ王は聖仙リッシャシュリンガを招き、犠牲供養式の規律の準備の儀式と共に、彼の家臣やヴァシシュタのような聖仙によってアシストされながら、供養の儀式を執り行い始めた。
聖なる供物が供養の火の中で燃やされたとき、偉大なる信と共に、熱されることによって浄化された金の光輝を携えた火の神が、パヤサ(乳粥)の入った金の器を持って、供養の穴の中から現れた。
「このデーヴァ方が作った、子供を授けてくれる神聖なるパヤサを受け取りなさい。これであなたは疑いなく、マハーヴィシュヌ御自身を息子として授かるであろう。」
そのように言って、その火神はパヤサを王に与えて、その場から消えた。そして王は、彼の目的を果たし、聖仙ヴァシシュタとリッシャシュリンガの二人に敬礼した。
◎ラーマが降誕される
ヴァシシュタとリッシャシュリンガに許可をもらって、王はそのパヤサの半分の量をカウサリヤー王妃に、もう半分をカイケーイー王妃に授けた。それから、王の三番目のコンソートであるスミトラーも、同様に息子を授けてくれるパヤサをとても欲しがり、申し出てきた。カウサリヤーは喜んで、自らのものを半分にして彼女に渡した。そしてカイケーイーもまた、彼女のパヤサの半分をスミトラーに渡した。こうしてパヤサを摂った妃たちは皆、子供を授かった。
宮殿内の彼女たちの部屋で、これらの妃たちは天人のように光り輝いていた。そして十ヶ月目に、カウサリヤーは無比なる幼児を出産したのだった。
至高なる魂であり、永遠なる存在である、一切の主は、五つの星(太陽、火星、土星、木星、金星)が優勢で、太陽がラーム(メーシャ)の宮にあるときに、花の雨の降る中、蟹座の吉兆なる黄道帯の宮の中のプナルヴァス座の下、チャイトラ月の新月から九日目に降誕された。
主がカウサリヤーの息子として誕生されたとき、主は、青百合の花弁のように青い肌の色を持ち、黄色の衣を纏い、堂々とした四本の腕を持ち、蓮華の赤い色を帯びた一対の眼を持ち、一組の光り輝く耳飾りをつけ、百の太陽のように光り輝き、巻き毛の頭に王冠をいだき、四本の腕には法螺貝、円盤、矛、そして蓮華を持ち、胸は野花の花冠で光り輝き、彼の心の中の優美な月の存在を示す微笑みの月光に照らされた御顔を持ち、遍在的な愛の感情で溢れる蓮華のような眼を持ち、そしてシュリーヴァツァ、首飾り、腕輪、足輪、その他の装飾で飾られていた。