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「実践の三つの条件」

◎実践の三つの条件

【本文】
九.内的・外的・環境的な、実践のための三つの条件を手に入れてください。

 これはよく出てくる、人間として生まれて修行ができることの貴重なチャンスっていう教えがあるよね。これは、今回「日々修習する聖者の智慧」っていう小冊子がでたんですが、ここにも載ってるロンチェンパの教えでも出てるけども。

 ちょっと話がずれるけど、今回この「日々修習する聖者の智慧」っていうのが出て、これはまさに心の訓練にとてもいい本です。宣伝するわけじゃないけどね(笑)。アーナンダマイー・マーの教えとか、今回学んでる七つの訓練も載ってるし、あとロンチェンパも載ってるけど――つまり、日々読んで心をしっかりと正しい考えにつなぎとめるような短い作品がたくさん載っています。

 例えば、アーナンダマイー・マーとかもとてもいいんだけど――これはバクティの考えだけどね――「人は、日常生活のあらゆる行為を、至高者にささげようとしなければなりません。朝起きた瞬間から、夜眠りに落ちるまで、人はこの心構えを継続しようと努力しなければなりません」。 ――これなんかはまさに、心の訓練の教えだね。これはバクティだけども。さあ、わたしは、身・口・意の行ないをすべて至高者にささげようと。朝起きた瞬間から夜寝るまで、決してこの考えを捨ててはいけないと。例えばね。

 ちょっと話を戻すけど、これにも載っている、「人間として生まれた、そして真理にめぐり合えた稀有なチャンス」。その教えっていうのは今日は突っ込んでやらないけども、つまりいろんな条件があるわけだね。

 内的条件っていうのは、自分の問題。自分が教えを求めているのかとか、そのためのさまざまな条件を整えてるかっていうことね。

 で、外的条件っていうのは、実際に、例えば日本みたいにある程度自由な国に生まれて、で、実際に教えを与えてくれる人がいて、で、実際にその教えと自分がめぐり合って、それを実践できる条件にあるとかね。

 環境っていうのは、実際の環境だね。自分に、例えばある程度そういう時間があるのか。あるいは、修行できるだけの時間や空間や、いろんなものがあるのかっていう問題ですね。

 これはだから、ここの部分の考え方としては、一つは、いつも言ってる、そのような今自分が修行できるという喜びをね、忘れないように。その貴重な人生っていうのを無駄にしないように――っていうことを、常に考えるっていうこと。

 もう一つは、もう少し現実的な話で、現実的に内的、外的、そして環境を整えると。つまりどういうことかっていうと、ちょっと具体的に言うとね、もし自分に熱意が足りないんだったら、日々熱意を増すような努力をする。あるいは、例えばこういう勉強会とかヨーガのクラスとかに、積極的にしっかり出るようにすると。これは外的環境だね。

 あるいは例えば、ちょっと具体的な話になっちゃうけど、余裕があるんだったら、自分の家でね、修行するための部屋っていうのを作るとか。あるいは、こういう祭壇をしっかり作るとか。あるいはさっき言ったみたいに、神の絵を飾ってね、それをしっかり見れるようにするとか、そういう環境を整えるっていうことですね。そういうのは具体的にいろいろやると。

 ただしこれは、もう一つ裏の教えとしては、だからといってこだわりすぎても駄目です。あまりにもガチガチに環境とかにこだわりすぎても駄目。つまり、この辺は二重の教えがあるわけだけど、われわれは環境は整えなきゃいけないんだけど、逆に言うと、環境にとらわれてもいけない。例えば、「隣の部屋の住人がうるさくて修行できない! 何ておれは不幸なんだ!」なんて思う必要はない。それだったら変容すればいい。いつも言うように、すべての音はマントラであると。隣の夫婦喧嘩がいつも聞こえてきたとしても、「お、またなんか、オームマニパドメーフーム、オームマニパドメーフームと聴こえてくる」と(笑)。そういう変容をする、例えばね。文句言ってたらきりがないからね。

 この辺はだから、頭を固くしすぎると逆にマイナスなので――つまり、環境に関しては、ちょっとまとめると――できることがあるんだったら、整えてくださいと。でも、あまりガチガチにとらわれすぎずに、あまり環境に文句は言わずに、どんな環境でも修行できるようにした方がいい。でも、できることはやった方がいいね。この辺もだから、各自の条件に応じて考えていかなきゃいけないところですね。

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