yoga school kailas

「壺の呼吸をしながら観想する方法」

◎壺の呼吸法をしながら観想する方法

【本文】
3.壺の呼吸法をしながら観想する方法

 壺の呼吸法を使うならば、チャンダーリーの火の体験を非常に速やかに生じさせることが可能となる。

 息を吸うときは、口は使わず鼻から、ゆっくりと、やわらかく吸う。ララナーとラサナーの二つの管を通してプラーナを吸い込み、この二つの管がプラーナでいっぱいになったと観想する。
 そしてその二つの管のプラーナが、へその少し下の、三本の気道の合流点から、中央気道に入ったと観想する。
 音を立てずに唾を飲み込み、へその少し下の所に力を込めながら、息を止める。同時に肛門と性器の筋肉を引き締めて、アパーナ気を引き上げる。 
 できるだけ長く息をとめた後、息を吐く。この時に、プラーナがへその下から、中央気道をとおって上に移動すると観想する。しかし、プラーナが頭頂から上に抜けると観想してはいけない。
 また、この呼吸法は、食事のすぐ後に行なってはならない。

 この呼吸法に熟達してきたら、前に述べたのと同様に、四つのチャクラに四つの種字を観想しながら、壺の呼吸をおこなう。

 はい。これはチベットの修行のムドラーみたいなやつで、壺の呼吸法っていうのがあるんですね。これはムドラーと似てるけど、狙いがやっぱりちょっと違うね。ヨーガのムドラーっていうのはやっぱりね、結構上昇させるっていうことに力点を置いてるね。エネルギーをガーッて上昇させると。で、このチベットのムドラーは、それよりもエネルギーを活性化させるとか、あるいは意識を深い意識に入れるっていう部分に力点を置いてる。どっちももちろんいい行法なんだけど、ちょっとこうポイントが違うかなっていう感じがします。だから気を上げたいんだったらヨーガのムドラーの方がいい。でもチベットのこの壺の呼吸の方が合ってる人もいるかもしれないので、それが合ってると思う人はそれやってもいいかもしれないね。
 ちょっとこれも今日やってみましょうかね。これ、やることはまず――物理的にやることはどういうことかっていうと、息を吸って、止めて、で、ムドラーのときはお腹をグーッと引き上げるけど、逆にお腹をグッと突き出します。グッと突き出して、でも肛門はしっかり閉めます。で、のどはね、別に何もしなくていいんだけど、でもわたしの経験ではのどはグッと閉めた方がいいと思います。というのは気が上がってきちゃうんで、ちょっとこうグワーッてなっちゃうから、グーッと閉めた方がいい。
 これね、失神しやすいです、このムドラーは(笑)。意識がウワーッて遠のきそうになるので、やるときは気をつけなきゃいけないけど。息を吸って、グーッとお腹に力を込めて突き出して、肛門を閉め、できればのどもグッと閉める。これで限界まで止めると。で、苦しくなったら息を吐く――で終わりなんだけど、そのときに観想を入れるわけだね。
 観想としてはまず息を吸うときに、先ほどのこの鼻から通じてる左右の気道を通ってグーッと気が満ちて、それがさっき言ったようにね、へその下のところでクイッて曲がって中央気道に入ったんだっていうふうにイメージします。
 そしてグッと息を止めてるときは、へその少し下のところね、つまり丹田のところにグッと集中しながら、そこに実際力を込めて息を止めます。
 で、息を吐くときは、ここに溜まっている生命エネルギーが、この中央気道を通ってスーッと上がって――つまりこうグーッと止めてて、吐くときにフーッて感じで上に上がるイメージをすると。でもそれが頭からバーッて抜けるイメージをしてはいけないっていうことですね。
 なんでそれがいけないのかっていうと、簡単にいうと、意識が飛んでっちゃう可能性があるからです(笑)。それを狙ってる瞑想もあります。狙ってるときはいいんだよ。ガーッて意識を出してまた戻すっていう瞑想があるんだけど、じゃなくて、自分の意思とは別に本当にワーッて意識が飛んじゃって、戻ってこれなくなったら死にます(笑)。まあ実際はでもそんな人はあまりいないと思う。つまりそこまで瞑想に熟達してないから。でも万が一間違って意識が本当に出ちゃうと、死にます。だからこれは――まあだいたいほとんどその可能性、危険性はないんだけど、でもまあ一応危険性を考えてね、バーッて抜けるイメージはするなって書いてあるわけですね。それは危険ですよと。
 別のね、これじゃない別のテキストでは、最初の一回だけはいいって書いてある(笑)。つまり「今日この呼吸法一時間やるか」っていったら、最初の一回だけはガーッて抜いていいですよと。二回目からは抜いちゃだめだというテキストもあるね。それはまあいろんな考え方がある。
 はい。で、その後にまた応用したのが出てきますが、まずここまでみんなで一緒にやってみようかな。
 あと「音を立てずに唾を飲み込む」ってあるけど、これ正確にいうとね、ウーッて止めてて、苦しくなってきたらやるんです。グーッて止めてて、苦しくなってきたと。苦しくなってきたらどうしますか?――苦しくなったら音を立てずに唾を飲み込み、で、もうちょっと耐えるんです(笑)。だから別に最初からやるんじゃなくて、苦しくなったら自分でクッと唾を音を立てないようにして飲んでください。で、さらに耐えてください。で、耐えられなくなったらフーッて出す。
 じゃあ今日はちょっとみんなでやるから、短めに時間を決めてやってみようかね。三十秒とか一分とかそれくらいでやってみたいと思います。
 はい。じゃあまずイメージから始めましょう。先ほど言ったように、体の中央気道と鼻から通じて下に下がっている左右の気道をイメージしましょう。はい。じゃあまず準備として息を吐きましょう。十分に息をグーッて吐ききって、はい、じゃあ息を吸います。グーッて吸って、その息が左右の気道をグーッと降りて、へそのところで中央気道に入ったとイメージして息を止めます。お腹をグッと突き出して、肛門をグッと閉めて、のどもグッと閉めた方がいいね。で、へそのちょっと下のところに集中して、グーッとお腹に力を込めます。肛門もしっかり閉めてくださいね。ウーッと体が熱くなって、顔が真っ赤になってもグーッととにかく力を込めます。三十秒ぐらいやってみましょうかね。 ……じゃあ中央気道を息が昇るとイメージしながら息を吐きます。はい、グーッと吐きます。
 これが基本的な壺の呼吸法ですね。これを何回もやってたり、あと長く止めてたりすると、かなりボーッとしてきます。本当に気を失いそうになる。でもそれはつまり瞑想にいい状態になってるんですね。これはヨーガのムドラーでも同じような効果があるけど、さっきも言ったように、気を上げたいんだったらヨーガのムドラーのほうがいいです。深く入りたいとか、生命力を強めたいんだったらこっちの方がいいかもしれない。狙いによって違うし、それから好き嫌いっていうかな、合う合わないもあるからね。
 はい、「この呼吸法は、食事のすぐ後に行なってはならない」って書いてありますが(笑)、そういえば供物を食べてたね(笑)。まあこれはなんていうかな、ヨーガのいろんな呼吸法とかムドラーもそうだけど、ある程度慣れてたら大丈夫です。初心者はやめた方がいいけど。まあみなさんが初心者なのかどうかっていう難しい問題があるけど(笑)、まあ大丈夫だと思います。お腹いっぱいのときはやらない方がいいと思うけどね。

◎壺の呼吸法をしながら観想する方法2

【本文】
 そして壺の呼吸で息を止めながら、次のような観想を行なう。
 へその短いア字の炎を、光明とともに、中央管を上昇させる。
 上昇した炎と光明は、上の三つのチャクラの種字を溶かし、溶けた種字は甘露の流れとなって、へその短いア字に滴り落ちる。
 へそのチャクラにおいて、チャンダーリーの火と、不死の甘露は一つになり、「サハジャの歓喜」が生じる。そう観想をしながら、へそのチャクラに集中する。

 さらにその臍の短いア字から光が生じ、再びその光が中央管を上昇し、三つの種字を溶かし、へその短いア字に甘露が滴り落ちる。そしてへそのチャクラに一心に集中して、息を保つのである。

 その時に、一点集中によって心が堅固になった時、へその短いア字から生じた光明が、身体の内も外も明るく照らすと観想する。
 この観想は、瞑想の体験を明晰にし、速やかにサマーディを完成する手助けとなる。

 壺の呼吸法によって息を止めている時間は、最低でも1分半ほどを目指す。
 中級においては、三分ほど。
 上級においては、四分半ほど止める。
 正しいやり方で行なって、楽に四分半、壺の呼吸で息を止められるようになったならば、死を克服するといわれている。 

 これもまた具体的な説明ですが、今度は瞑想が入った呼吸法になりますね。ちょっと複雑で長いけどね。やってる間に息が続かなくなるかもしれないけど(笑)。
 複雑なのでこれもちょっと一度説明するとね――説明してこれもちょっとこれからやってみましょうね。まずへそのところにア字――で、このときのア字はこういう感じでいいです。こういう炎をイメージしてください。赤い炎をイメージします。はい。
 で、胸のフーム字だね。
 で、のどのオーム字。
 頭頂にはこの逆さのハム字。
 そしてこう中央気道がありますよと。
 で、まあ左右の気道もあるわけですけども、まずグーッと――最初のさっきのプロセスで鼻から息を吸って、このへそのところに集中して、息を止めるわけですが、そのときに、このア字の炎がパーッて光を発して、光とともにこの炎がガーッて上昇します。
 で、上昇することによってこの三つの種字が溶けます。溶けるっていうのは溶けてなくなるんじゃなくて、溶けて、ちょうど氷とかアイスクリームとかが溶けちゃったみたいに、ポタッポタッポタッと滴みたいのが落ちてきます。それぞれの字からね。これが甘露っていうやつです。アムリタっていうやつだね。
 この炎と光がグーッと上昇して、それによって溶けた甘露がポタポタポタと落ちて、ここは甘露でブワーッて満たされるというふうにイメージします。
 で、まず第一段階。甘露と炎が一体となってグーッと満たされて、ってイメージしながら、ちょっとへそに集中します。
 そして次が、再びこのア字から光が発して――今度は光だけでいいです。光がまたバーッて上昇します。またもう一回ポタポタポタとこの甘露が落ちてきます。で、またその甘露とこの炎のア字がガーッて一つになってるとイメージしながら、グーッとへそに集中して息を止め続けます。
 で、その最後のプロセスのときに、ここから生じた光が、体の内側もそれから体の外側も、すべてを照らし出してるっていうふうに強くイメージします。
 はい。こういうプロセスだね。
 じゃあこれも言っていきますので、これを見ながらでもいいし、わたしが言っていきますので、その通りにやってみましょう。
 はい、いきますよ。まずイメージからしましょうね。まず体の真ん中をこういう中央気道がドーンッと通っていて、左右の鼻からそれぞれの左右の気道がグーッと中央気道と並行して下に降りて、ちょうどへその下あたりでドッキングしています。
 中央気道の四つのポイントにはそれぞれの種字があります。頭頂は白いハム。のどは赤いオーム字。胸は青いフーム字。へそのところには赤くてちょっと縦長の炎みたいなのをイメージします。
 まずはこれをしばらくイメージしてください。確固たる、まるで本当にそれが事実であるかのようにリアルにイメージします。
 はい、じゃあいきますよ。まず準備として息を吐きましょう。十分に吐ききって、はい、息を吸います。左右の気道をグーッとプラーナが流れ落ちて、へそのところに入って、はい、グッとお腹を突き出して息を止めます。肛門を閉め、お腹を突き出し、のども閉め、お腹でガーッと炎が燃え、その炎が中央気道をグーッと昇るイメージをしてください。グーッと昇っていって――明確じゃなくてもいいけど、チャクラに種字を観想し、その種字が溶けてきます。ポタポタポタと滴り落ちて、甘露がへそに溜まったとイメージします。へその火と甘露が一つになったとイメージしながらしばらく集中します。
 はい、再びそこから光が発して、光がパーッて気道を上がってるイメージをします。で、また三つの種字を溶かします。またグーッと溶けた甘露が落ちてきてへそに溜まります。
 はい、じゃあまたしばらくへそに集中します。へそから光が発してそれが体の中と外をいっぱい照らします。
 じゃあ息を吐きましょう(笑)。あんまりみんな続かない人が多い(笑)。
 はい。これは瞑想が入ったムドラーみたいなもんですね。こういうやり方がありますよと。

share

  • Twitterにシェアする
  • Facebookにシェアする
  • Lineにシェアする