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◎念

【本文】
アヌブータヴィシャヤーサムプラモーサハ スムリティヒ

過去に経験した対象が失われていないものが、念(記憶)である。

 スムリティというのは、パーリ語でいうサティだね。つまり念――四念処の念ですね。ただこれはね、もともとは記憶っていう意味があるんだね。ここでいっているのは、どちらかというと記憶の方にとった方がいいと思いますが。これは書いてあるとおりです。
「過去に経験した対象が失われていないものが、念(記憶)である」。
 つまり、過去に経験したこととか聞いたこと、情報とかが、心の中に浮かんできたりとか心の中をそれが駆け巡ったりする――こういう心の作用。これはつまり記憶ですよと。これを積極的に意図的にやった場合、念というんだね。念ずるとかの念ですね。心の中にある一つの情報・データを一心にそこに集中するのが念だけども。念じようが念じまいが過去の記憶が心を動いている状態。これが五番目の記憶ですよと。
 はい、一応こういうふうに心の作用というのを定義している。とにかく心はいろんな形で動いていますよと。作用していますよと。そしてそれをどうするかというのが次に書かれていますね。

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