スワミ・プレーマーナンダ「信者への奉仕」(6)
イナン・マハラジは、こう言いました。
「ある日ある男が、遠いところからはるばるマトヘ、歌うためにやって来た。歌の初めの一行はこうだった。
『道を守るために、母は日夜そこにおいでです。』
彼は、マトの門に近づいていくと、バブラム・マハラジがまったく平静に、ただ一人立っていらっしゃる――道を守るために!――のを見た。
バブラム・マハラジはしょっちゅう、道路をご覧になったり、時計に目を向けたりして、『信者達が遅れて到着するかもしれない。ひょっとしたら、到着が遅れたせいで、彼らがプラサードを恵まれないかもしれない』と思いながら、門の所におられたのだった。
彼はよくこう仰ったものだった。
『わたしは、供養用に届いたたくさんの食べ物を見ると、タクルがすぐに、彼のプラサードを得られるようにたくさんの信者達を送ってこられることがわかる。』
ある日、ある男が、沐浴を終えた後にマトに来て、建物の東側のベランダで立っていた。部屋の中の北側で、2、3人のブラフマチャーリ達がムリ(膨らし米)を食べていたが、その間中、男はベランダでただ立っており、彼らを静かに見つめていた。
バブラム・マハラジはふとそばにやってきて、そしてその光景をご覧になり、ブラフマチャーリ達をお叱りになった。
『君達、自分達が食べているというのに、この人に何か提供しようとは考えなかったのか?』
ブラフマチャーリの一人がそのとき、急いでその男性にいくらかのムリを提供したが、バブラム・マハラジは彼を止めてこう仰った。
『君は食べるためにここに来たのだ。だから食事を続けなさい。わたしが彼に奉仕をさせていただこう。』
マトで特別な礼拝があった聖なる日に、バブラム・マハラジはプラサードを分配して、その感想を仰った。
『母は自分の子供達に食事を与えるのを好まれるのだ。そうではないかね?』
別の機会に、彼がある男にグリーンココナッツを給仕するように誰かに命じると、その男はこのように抗議した。
『なぜわたしが? どうぞ、あなたがお召し上がりください。』
しかし、バブラム・マハラジはこう言って主張された。
『あなたが召し上がってください。それによってわたしは養われるでしょう。』
以前に、彼はこう仰った。
『未来において、タクルと神にしがみつき続けられる人々は救済されるだろうが、残りの人々は滅びるとわたしは予想する。タクルは建物の屋上からこうお呼びになった。
「おお信者達よ、お前達はどこにいるのか? 来ておくれ! 来ておくれ!」
――あの呼び声は、わたしたちのような少数の者たちだけのためのものではなかった。それは、あなたたち皆のためでもあったのだ。彼はまた、他のたくさんの者達もお呼びになった。すべての人がまだ来たわけではない。
今日ではたくさんのタクルの信者達がいるが、まだやって来ていない信者達もたくさんいる。』」